それは

テラと

キロの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TB≠KB

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「例えば、君と僕との差が100とするよ?」

 

霞む視界
でもその中で嫌でもはっきり見える白
コンポーザー
シブヤを統べる者

 

「君には幾ら言ったってわかってもらえないから、こうして僕がわかりやすく教えてるんだよ」

 

視界を塞ぎたくても
聞きたくも無い声を塞ごうとしても
動くはずの手は目の前でだらしなく伸びて
脳信号が届いてないのか
動かない手に苛立つ

 

「数値は同じ100であっても、僕と君との差は例えるならTB(テラバイト)とKB(キロバイト)」

 

知らない言葉を並べる
優越感に乗る声
うるさいといっても終わらない
まるで一人舞台

 

「テラは10の12乗、キロは10の3乗。あーでも、やっぱり君がよく言ってる”ゼタ”のほうが良かったかな?」

 

何がそんなに楽しそうなんだ
何がそんなにお前を喜ばせるんだ
それが自分だとわかってるから
虫唾が走る

 

「つまり、君と僕との力の差は何があっても埋まらないってことさ」

 

こんなに近くにいるのに
手が届くところに奴がいるのに
動かない体など捨て去って
奴の喉下を噛み千切りたい

 

「埋めようなんて、 できないよ?そもそも君と僕との底が違う。僕と同じ力を得たって、君自身が耐え切れずに壊れてしまう」

 

前に伸ばした手を奴が踏んだ
動かないくせに、痛覚は一丁前に働いてる
痛みで歪みそうになる顔を奴に気づかれないように抑えた
でも、奴はまた笑った

 

「でも…ね、聞いて? 僕は君に、とってもステキなチャンスをあげるよ」

 

"天使"のような笑みで

 

「僕の"狗"になるんだよ。ただの狗じゃない。これは君と僕とのゲームだよ」

 

頬に伸びる手

 

「もしかしたら君みたいな小さな力でも、僕の事、殺せるかもしれないでしょ?」

 

細い指が

 

「狗になった君は僕の隙をついて殺すんだ。君が先に殺すのが先か、僕が君を飼い殺すのが先か。そんなゲーム」

 

唇をなぞる

 

「イイ話でしょ? KBだって、1000000000の力の出せば僕と同じだ。……君に、それを出せる力があれば、ね」

 

嬉しくネェよ
フォローのつもりかよ
ふざけやがって

 

「さ、どうする? 僕としては、君の事気に入ってるからこのまま消したくないんだよ」

「はっ……見え透いた…嘘を」

「これが嘘だって証拠はあるの?」

「本当…だって、証拠もね…ぇ」

「屁理屈」

 

口は動いてよかった
これで口も駄目だったら
もう俺は何をすればいいのか

 

「乗ってやるよ……そのゲーム。要は……てめぇの寝首かけばいい…話じゃ……ねぇか」

「……そう、うまく出来るかな…?」

 

 

 

たとえ力の差があっても

それを持つのは

パソコンではなくて

隙だらけの人間に

絶対なんてあるはずがない

 

 

 

 

 

 

テラと

キロの差

 

 

 

 

 

 

俺の容量がぶっ壊れたって

お前に

たどり着いてやる

 

 

 

 

 

 

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あとがき

書いてるうちにタイトルと話逸れた…(汗)
何書きたかったのかわからなくなった…。

ちなみにTB(テラバイト)とKB(キロバイト)はよくパソコンで見かける情報量の単位
大きさはこんな感じ
TB>GB>MB>KB>B>bit

 

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