一瞬の美

 

二度と見れない同じ模様

 

変わる  がわる

色んな色を見せる

 

同じようで 違う色 模様

 

逆に回しても

元に戻らない








彼は
万華鏡に  似ていると思う








キレイ だけど サミシイ








そんな感じが似ている



 

 

 






kaleidoscope

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「…(今日は店から出勤デスカ)」

 

キャットストリートの
ワイルドキャットという店から出てくる彼を見つけた。
昨晩、彼はここで“泊まった”みたいだ

 

「…(羽狛ダッケ。ここの奴の名前)」

 

そんなこと考えてたのはほんの一瞬で
どこかへ行く彼をまた見続ける。

 

「…(この前は確か…ライブハウスから出てきたっけナァ)」

 

いろんな顔を見せる彼
いろんな色を見せる彼

 

「…(また見せてくれないかナァ。前に俺と一緒にいた時の顔)」

 

同じ顔
同じ色を見たくて
こうして毎日彼の変わる色を見ている



 

 







「おい。何見てやがる」

「……南師サンの顔デ・ス・ヨ♪」

「……ヒマ人」

 

今日の彼は 少し 俺の色に近づいている

 

「ラーメン食べに行かナイ? 奢ってあげるカラサ」

「……悪くはないな」

 

ようやく俺の色になってくれた君
前と違うけど この色も悪くない








でも 君は万華鏡
少しでも動けば 二度戻らない別の色模様





変えたくなければ

 

変わって欲しくなければ

 

今のまま

 

変わらぬうちに

 

永遠に

 

ドコにも行かないように




 

 



止めてしまえばいい――――。

 




----------
あとがき

久しぶりに、オチを考えずに突っ走って書いた狩南です。
授業中に突然浮かんだので忘れないうちに書き留めました。
いつもはメモ帳に書いてある文章そのままにしないでかなり修正して書いてますが、
今回のは元々短文予定だったので、原案ほぼそのままです。

いつもコロコロ相手を変える南師が自分に来たのをいいことに「このまま手に入れてしまおう」と決意する狩谷
というような、そんな感じです。

後のことは、みなさまのご想像にお任せします。

 

 

back