日本語ってムズカシイ。
「南師はさ、俺の事どのくらいスキ?」
「はぁ?」
唐突にそんなことを狩谷から話を振られた。
周りに誰もいなかったからいいものの、誰かがいる前でそんなこと言ってたら確実に消してやる。
「何でそんなこと聞くんだ」
「ああ。ちょっと気になったノ―――――南師は“ツン何”何だろうッテ」
「はぁ?」
何語だそれは。
「何でも“ツンテレ”、“ツンデレ”、“ツンドラ”ってあるんだってサ」
何の三段活用だ。
FFの魔法か何かか。
「エット……“ツンテレ”がいつもは強気だけどすぐに照れちゃう様子で、“ツンデレ”は何かがきっかけでしおらしくなる様子で、“ツンドラ”は行き過ぎたツンデレなんだってサ」
俺に何を求めてんだ。何を
それにツンドラって、ツンドラ地帯のことじゃねぇのか
いや、それより何より――――
「どっからそんな変な言葉知ったんだ」
「腐女子応援ポータブル」
……婦女子?
「ウーン。それにしても、南師ってどれにも当てはまるから一つには決められないヨネー」
「何を決めるんだ。何を」
「まぁ、俺的にはどれでも可愛いことには変わりないんダケドネ」
「おい」
「あっ!! もしかしてアレだったらぴったりカモ!!」
「人の話を聞いてるのかっ!! ヘクトパスカル!!」
言ったものの、絶対こいつは聞いてない。
しかも一人で勝手に納得してやがる。
「…何がぴったりなんだ」
一応聞いてみた。
「…誘い受け?」
「4ねっ!!」
バキッ
意味はわからなかった。
だが、俺にとっては気に食わない事を言ったことだけは理解できた。
日本語って、ゼタわかんねぇ。
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あとがき
ずっと南師のツッコミのターン。
「腐女子応援ポータブルの用語大辞典がなかなかにカオスだったのでやってみた。