「ウサギは淋しくなると死ぬって本当カナ?」
「知らねぇ。迷信だろ」
「でも、気持ちはわかるナ」
rabbit
「んっ……」
「ココ、好き?猩」
猩が好き。
だから猩を嘗めてるこの時が好き。
アメ舐めるのと猩を嘗めるのだったら断然コッチ。
まるで動物の愛情表現みたいに嘗める。
「……時間だ」
幹部の猩とこうしていられる時間は限られてる
離れたくない
俺の気持ちを知ってか知らずか
猩はとっとと俺から離れてしまう
猩の様子が最近おかしい
初めてそう感じたのは1週間前
怪我を負った猩がRGから帰ってきた時から
あの時の猩の顔が忘れられない
あの―――憎しみの瞳を
俺ではなく
他の誰かしか見ていない瞳
「ナァ」
その瞳を見てから
俺は不安になった
「お前は俺のものダヨ?」
他の誰かのモノになってしまったのか
いつまでも、俺のものでいてくれるのか
「わかってる」
本当に?
「―――――だったラ」
何で?
「猩は最近何処に行ってるノ」
俺の知らない場所で
俺の知らない事をする
俺の知らない奴と一緒に
きっとそうに違いない
「お前には関係ねぇ」
カンケイナイ?
猩は俺のモノナノニ?
「なっ――――!!」
「行っちゃダメ」
立ち去ろうとする猩の腕を掴んで引き寄せた。
「行っちゃダメ」
まるで駄々をこねる子供のように
猩をきつく抱きしめて放さなかった
「行っちゃダメ」
ここで放してしまったら
もう猩は俺のものでなくなりそうで――――
「離せ」
俺の顔も見ずに、猩は俺の腕を掴んで離れていった
一言
「……じゃあな」
それだけをいっていなくなった
誰もいない
離れていく
もしかしたらもう戻ってきてくれないのか?
「頼むから―――――」
温もりはもう消え
さっきまでのあの幸せだった時は簡単に消えた
「俺から離れていかないデ――――――」
淋シクテ
死ンデシマイソウ
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あとがき
最近知った事実。
携帯版の「rabbit」とPC版の「rabbit」の話が違っていたこと(汗)
なんでこうなったのか全然思い出せない状況ながら、PC版はPC版で完成してるからいいか、ということで携帯版です。