味覚も所詮
脳の錯覚
-死神の血-
「南師サーン。指令通り、報告書まとめマシター」
抱えるほどの紙束を持って、愛しのあの人の元へ向かう
あの人からの直々のお助けメールがきたとあっては、どんな約束事でもすっぽかしてでも行ってしまうのが惚れた弱み
そんな俺の気持ちを気付いているのかそうでないのか
よく俺に頼みごとをしてくるってことは
他の、
その他大勢の中から「使える部下」に格上げされたってことで考えてもいいよね?
で、今日も報告書が終わらないから手伝えという彼のメールに誘われ、今こうして書類をまとめあげたって訳
「そこに置いておけ」
「何時も思うんですケド……報告書っていうのは溜めるものではなくてその日に書くものデスヨ?」
「るせぇ、殺すぞ、ヘクトパスカル。黙って今度はそっちの書類まとめやがれ」
「ハイハイ。了解シマシタ」