関係してるって思うのは、
無理やり?
-死神の前世-
「猩チャンのサ、名前ってかっこいいヨネ」
「はっ?」
突然のあいつの話に毎度のことながらついていけない。
というか、突然ふってきてしかもどうしてそういう会話になったのか一切わからないものに乗れる訳がない。
元々こういう奴だというのはつきあってて理解できてるとは思ってる。
それでも、ついていけるとは限らない。
まぁ、こいつの場合。
話に乗ってこなくても勝手に話を進めるんだが。
「“南師猩”。特に“猩”ガサ」
「…“しょう”なんてありきたりな名前だろ」
ほら、やっぱりわからない。
最初はこいつの頭の中はヨクトグラム程度なのかと思ってた。
でも、そうじゃなかった。
こいつの頭の中は、俺でさえも計算不可能なだけだった。
「違う違う。“しょう”じゃなくって“猩”の方」
「……?」
「だってサ、星がついてるんダヨ。名前の中にサ」
これは、こいつなりの褒め言葉…?
名前を褒められたことなど、一度もない体験。
何かくすぐったい。
「……じゃあ、似てるかもな」
「ナニガ?」
「俺ら」
「何デ?」
「名前が」
クエスチョンマークが見えるかのように首を傾げる狩谷。
ここまで言ってもわからないのか、このヘクトパスカルは。
それとも俺に最後まで言わせるつもりなのか。
「だから何デ?」
笑顔で聞いてくる
どうせこいつのことだからわかってて聞いてる。
そうだとわかっていながら折れるのは俺。
「……拘輝」
「ンっ?」
「拘輝の“輝”は輝くって字だろ」
星と輝
星は輝く
輝くは星
「俺たちって、今会う前から相性がよかったのかもネ」
「はっ?」
「もしかしたら、前世から俺たちの関係って続いてたのカナ?」
もう本当にそうだったら
どんだけだよって思うけど
そう思うのも悪くは無いけど
理解不明
「……阿呆」
「ウーン。そういう考えって、やっぱり変カナ」
理解できないものは嫌いだ。
計算できないもは嫌いだ。
でも、こいつの思考回路は
「今がよければそれでいい」
嫌いじゃない。
今も昔も
きっと同じ。
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あとがき
「前世」がテーマなはずがちょっとズレたような気がする。
なので狩谷に無理やり言ってもらいました。
今では“猩”は単語登録したおかげで真っ先にでます(笑)
そのせいかどうかはわからないけどレポートで「生じる」と書いたら「猩実る」ってでたときには眠気がぶっとびました。
でたのは一回だけ、その後は何回やっても出なかった。
「猩汁」ってでたらもっと色々大変だっただろうな……MyPCは。
以上、実話体験。