言葉では表現できない
その感覚を詩にした
あの人に届くかもしれない
そんな淡い期待を抱いて
waltz
「…馬鹿みてぇ」
誰かに言ってる訳でなく
それがただの独り言だと自覚していながらも
声に出して言いたかった
自分がどれだけ馬鹿だということを
新しく作ったオブジェの上で
いつのようにシブヤを眺めているが
考えていることはいつもと全く違う
頭に残るあの歌
嫌な意味で印象深いのではなく
完全に俺の心を掴んだ感じで
はっきりいって やられた
「デスマーチ…。スリーゼブン……か」
いつもと違うバラード
誰か1人のために当てた歌
その歌を聞いて
歌ってる奴に心臓が反応するようになった自分が
ものすごく滑稽で
こんなんじゃ、たった一晩踊っただけで結婚決めた童話の展開みたいで
正直
自分が情けない
「くそ……ゼタ間抜けだな。何でこんなに・・・頭から離れねぇんだよ・・・」
まさか自分がこんなことで悩むなんてこれっぽちも思わなかった
頭を抱えて悩むも、それが何の解決にもならない
「……誰もいねぇよな」
周りを見て、誰もいないことを確認した
RGの連中は論外、死神が周りにいないことを確認した
「……すぅ…」
最初は小さく、頭に残る歌を口ずさむ
一度聞いた歌くらいすぐに覚えられる
誰かにあてたバラード
何でこんなに残るのか
何で口から出るのか
何で
俺はそれを今歌っている――――――?
歌い終わった
ほら、完璧に歌ってやったぜ
自己満足
でも
何かが足りない
その時
「上手かったよ」
振り返るとそこにいたのは奴だった
スリーセブン
今のを、確実に見られてた
黙ってきいていたのかと、殴りたくもなったけど
この歌のせいか
奴の顔が
何だか嬉しそうに見えたからか
「…………サンキュ……」
素直に喜んじまったじゃねぇかよ、ヘクトパスカルが
waltz
18世紀末頃にヨーロッパに起こった4分の3拍子の舞曲および舞踏。円舞曲。
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あとがき
突発、777南でございます。
最初に書いた「ballad」の南師視点でございます。
これが何の気持ちか分からなくて悶々と悩んでたらいいと思います。
で、本人を前にして固まるとか(笑)